動物病院開業 テクニカルデザイン

№510　あらゆる時に謙虚であれ		2020/7/24
	北海道から問い合わせがあり、ヒアリング日時の調整を行い、東京北区で見積減額の打ち合わせに出かけます。スマホ用のホームページ作成方法に迷いながら、岩手県の改修設計を進めます。随分以前に引き渡した東京都港区のテナント動物病院の見知らぬ改修業者から設計図の原図が欲しいとの連絡が入り、今週末には送ると返答します。今週土曜日の打ち合わせ内容の議事進行予定のメールが添付ファイルで届くも、直ぐに目を通す気にならず、そのままにしています。インスタグラムの写真掲載のための建築写真をピックアップして2枚ほど掲載しました。仕事には全く関係のない営業の電話が2本ありましたが、案の定、必要ない旨を話して断ったのですが、何の営業だったのかは全く覚えていません。カーポートの寸法と積雪荷重、薪ストーブの燃料になる薪置場の確保、カフェのカウンターと水廻りをあれやこれや悩んでいましたが、今日のところはまとまらないと半ば諦めました。 　59年と6ヶ月生きてきて、今日一日は充実しているのかいないのか、どちらとも言い難いけれども、20代の頃の自分は現在の自分の姿を全く想像出来ていなかったと思います。今の姿を想像出来なかった20代の自分ですが、建築家になりたいともがいていたのは確かです。時はたちましたが、今の自分も相変わらず建築家になりたいともがいています。長い時間が過ぎても同じ目標を掲げているのは良い事なのかどうか?大いに疑問が残ります。いずれにせよ、生きるにはあらゆる時に謙虚であらねばなりません。	エールペットクリニック

№509　長雨		2020/7/23
	6月下旬から東京は雨続きで、7月中旬を過ぎても雨は続いています。青空とお日様を拝めない日が続くと気が滅入るように私の身体は設計されています。故に、現在、相当気が滅入っています。身体設計の仕掛けが単純な分だけ、壊れにくくはなっていますしガサツな修理でも動くようにできていますから、簡単に壊れて使い物にならなくなるようなことは暫くはないと思います。昭和の日本製品は単純明快に作られていますが、丈夫で長持ちし修理に耐え得る優れものです。昭和の人間もゼンマイ仕掛けで動いているようなもので、ゼンマイを巻きさえすればなんとか動きはするのですが、長雨のせいか、ゼンマイも湿度が高すぎると緩み出すようで、ゼンマイを巻き上げても本来の力が出難くなっており、空回りします。平成の連中は電気仕掛けで動くようですが、まだアナログが半分ぐらい残っていて電気仕掛けにしては動きがギクシャクしています。ハイブリッドと言えば響きは良さげですが、簡単に言えば発展途上の中途半端と変わりありませんから、いずれ年月が過ぎれば馬脚が現れるでしょう。 　青空とお日様が待ち遠しい梅雨終盤です。	エールペットクリニック

№508　明日があるさ、で歳は行く		2020/7/22
	明日があると思っている間に歳をとります。明日に希望を持っている間にも年齢は嵩みます。 　歳をとっても明日はあります。年齢を重ねても明日がなくなる事はありません。誰にでも明日はあるのですが、若かろうが歳とろうが希望が明日にあるとは限りません。明日が希望になる可能性はありますが、必ずしも明日が希望になるとは限りません。明日があると思っていても突然明日がなくなることもあります。明日がなくなるのではなく命がなくなるのですが、表現とはややこしいものです。コロナ流行りの折ですからコロナで亡くなるとか病気で亡くなるのは避けたいと耳にしますが、病気で亡くなるわけでもなくコロナで亡くなるわけでもなく、生きているから亡くなるのです。明日が有る無しの話と少し重なるところがあるような気がします。 　今のところ、明日があると思って生きています。明日があるはずだから今日の設計を止めて明日やるかと思います。明日がないと判明したならば、今日はどうするのかと考えますが、同じように行動するしかなかろうと思います。	宗像大社　中津宮

№507　サインについて		2020/7/21
	ほとんどの動物病院は名前＝動物病院名をつけます。覚え易い名前、地域に馴染んだ名前、言い易い名前、動物病院のイメージが向上する名前等々、ネーミングは動物病院開業に向けた大事な作業です。故に開業する動物病院の最も目に付く場所に動物病院名を掲げたいあるいは掲げるべきと考えるのは妥当と思います。遠くからでも目に付く場所、接道する道路から見やすい場所、ぼんやりしている人でも気づく場所に動物病院名を掲げたい気持ちは十分に理解できます。可能な限りできる限りサインについてはクライアントの要望に応えたいと思います。 　サインもお値段はピンきりです。安価なサインから高額サインまで幅広く用意されています。サイン価格が良く解からない方への簡単な価格の見分け方は“素敵だな”や“カッコイイな”と感じるサインは高額、何も感じない目に止まらないサイン、ちょっとダサいと感じるサインは低額と思っていれば大きな間違いではありません。ファサード外壁に取り付ける動物病院名だけの安価なサインでも15万円程度、高額サインになると200～300万円程度します。安価なサインに照明器具や取り付け費用を含めると20～25万円程度になります。 　動物病院開業にはサインが必須ですからサイン製作費用やサイン工事費用はあらかじめ工事費用とは別途に見込んでおいたほうが良いでしょう。壁付きサイン1ヶ所で25～30万円程度、壁付きサイン＋独立サイン各々１ヶ所で75～80万円程度、LED照明埋め込みのスタイリッシュなサインであれば100万円程度は見込んでおくべきでしょう。	動物病院光心堂　サイン

№506　木を見て森を見ず		2020/7/20
	住宅は一年に2～3棟程度の設計監理をしています。ＡＣプランは動物病院設計のプロ集団ですから住宅設計は請けませんが、ＡＣプランに参加するイトレス＆ＡＣＤには住宅設計の依頼が1年に2～3棟程度は入ります。 　動物病院も住宅も建築の範疇に入りますから設計作業は同じような過程を踏みますが、動物病院設計と住宅設計には決定的な違いがあります。住宅はクライアントの要望がすべてでありクライアント要望実現が設計のベクトルです。動物病院は動物病院開業を依頼するクライアントの要望も多少ありますが、それよりも大きな設計の目的が動物病院を利用するであろうお客様の潜在要望を実現することです。実際に設計のやり取りをするクライアントは動物病院をつくる獣医師ですが、設計者及びクライアントである獣医師が常時想定しているのは動物病院を将来利用するであろう潜在するお客様の要望や希望の方向です。目の前にいないけれども想定しなければならない潜在クライントの存在が動物病院を設計する上で進むべき方向に舵を切る原動力になり、想定する潜在クライアントの意思を汲み上げて設計に検討を重ねる時間が付加価値の高い建築をつくる発火点になっています。 　建築づくりは奥深く、設計を理解するのも容易ではありません。家づくりも奥深く簡単ではありませんが、住宅設計は木を見ていればナントカなるような気がしますが、動物病院設計は木を見て森を見ずでは成り立たないと思う次第です。 ※住宅設計は安易ではありませんし容易でもありません。設計者やクライアントの立ち位置の違いが設計の違い・建築の違いとして表れるのではなかろうか・・・という一考察ですので、御間違えの無いようにお願い致します。	地下スタジオ
		玄関前中庭

№505　自由意志×獣医師		2020/7/19
	表題の漢字を見れば獣医師が素敵な職業であることは明白です。自由意志は『じゆういし』と読み獣医師は『じゅういし』と読みます。自由意志と獣医師の違いは『ゆ』の大小、些細で瑣末なことです。『ゆ』の大小などは日本に生まれて小さな頃から日本で過ごす日本人にしか解からないことで、ローマ字にしてしまえば『JIYUUISHI』も『JYUUISHI』、Ｉがあるかないかの違いで日本語表記の違いとほとんど変わりはしません。 　自由意志が自由意思でも自由医師でもはたまた自由石でも同じようなものです。自由石とは何ぞやと思う方は河原に転がる丸い石を思い浮かべて下さい。おそらく、あのような石を自由石と読んで差し支えないものと勝手に思っています。川を転がる石はなおの事自由石なのではなかろうかと考えたくなります。ローリングストーンは転がる石すなわち転がる石にはコケがつかない。この解釈は良い意味も悪い意味もあるようですが、プラス思考で解釈するといつも新しい環境に移ろうとする人は自分を向上させられるです。非常に良い結びとなりました。 　自由意志×獣医師が自由石×獣医師の話に摩り替りましたが、終わり良ければすべて良しですので終わります。	階段室

№504　話し合いからアイディアは生まれる		2020/7/18
	寡黙に熟考して生まれるアイディアもありますが、多くの場合、アイディアは話し合いの中や互いの会話の微妙な感情の合意や感覚のズレの隙間から生まれます。閃く瞬間は人それぞれであろうと思いますが、私の場合は“あ、そうか！”や“それ、使えるかも！”は対面している場面や集合している場面で浮かんでいます。予定調和的な流れの中からアイディアが毀れ出るのは天才と思しき方々の振る舞いで、凡人のアイディアの出処は他者との間のような気がします。胸を張って言うべきことではありませんが誰が見ても私は凡人で自らの脳内や体内から綺羅星の如くのアイディアを量産できませんし、過去に量産した事もありません。建築のアイディアも動物病院のアイディアも医療環境へのアイディアもすべて獣医師の先生方との話し合いの中から拾い上げ実行したものです。上手くいくこともあり、想像する程の効果を発揮しなかったものもあり、失敗に近い例もありますが、建築設計のアイディアは設計に反映し実際の建築に装着し、暫し様子を観察し時間を経た後に良し悪しの結果が見えてきます。設計者にとっても挑戦ですがクライアントである獣医師にとっても挑戦です。 　打ち合わせや話し合いや会話の中から毀れ出る閃きの種を取りこぼさぬ様、自らのアンテナを磨き続けなければならないと思う次第です。	くにか動物病院

№503　環境をデザインする		2020/7/17
	動物病院設計は動物病院環境を整え、良好な院内環境を持続し診療サービスの向上を促す建築計画の立案が目標です。動物病院内の院内環境を整える建築計画と設備計画、動物病院外の環境に働きかけ良好な変化を促す外観計画と外構計画、さらに近隣を含めた環境計画を総じて環境デザインと呼びます。 　院内環境を良好に保つ日頃の清掃や整頓は医療提供する動物病院の日課です。動物病院内の清掃を日々行い、整理を繰り返しているにもかかわらず、いつの間にか院内には医療機器が増え、書類が重なり、フードや薬が山積みになり、足の踏み場がなくなります。通路は塞がり、動き難くなり、カウンターはモノで溢れ、収納はどこも入りきらずモノが溢れます。 　開業時の資金不足により将来の動物病院に見合う十分な面積や容積の確保が厳しく必要面積が足りていないこともあります。当初見込みが甘く室容量が不足する状態もあります。将来への見通しが甘く容量が足りない場合もありますが、最も頻繁に散見される要因は動物病院設計の力量不足、設計力不足による失敗です。設計力量不足による失策の責務を負うのは設計者ではなく残念ながら依頼したクライアントです。本来は設計者とクライアントが十分に話し合い、考えるべき将来の動物病院の姿を設計時に捉えきれずになんとなく設計が決まり、設計に潜む将来への瑕疵を見過ごした結果が不便とストレスと不満へと繋がります。 　設計は建築の肝であり将来への担保です。	動物病院計画案

№502　違いを了解する姿勢		2020/7/16
	違いを了解しながら協働を深めるのが活気ある社会や組織の在り方と思います。互いの違いを了解した上で協働し創作する姿勢が新たな価値を産む原動力になります。理解せずとも良く、認め合わなくとも良く、深く知らなくても良いのですが、互いの違いを了解の上で方向性を合わせ、力を出せる仕組づくりが多様性に繋がります。 　ネット社会は互いの違いを否定し強い同調を求める社会を形成しがちです。実社会では自分の身の回りに同質な思考や思いを有する人を見つけることは困難で、違いを前提にしてお互いの深度を図りながら、ものづくりや発見をする仕組みを作らざるを得ません。安易な『いいね』や匿名に近い同意は実社会には稀で、実行を伴わない言葉や軽い同意はお互いの亀裂を深めるだけです。ネット社会では同調者を容易に探すことができ、コンタクトも簡単、嫌になれば回路切断で事は足りますが、実社会ではスイッチを切ろうが電源を落とそうが関係は継続せざるを得ません。簡単に言えば、実社会は面倒に出来ています。 　面倒な社会で生きるには、面倒に直面し面倒と付き合い面倒を克服する覚悟を要します。思い通りにいく方が珍しく思い通りに行かないのが当たり前です。準備万端漏れなく整えたところで時間の経過と共に些細な劣化は始まり些細な齟齬の摩擦に拠り、結果は思い通りにはなりません。それで良しとはしませんが、思い通りの結果を得られる方法に近づく方法は見つけられます。ここでも違いを了解する姿勢が問われ、違いを了解できれば新たな方法を見つける事が出来ます。面倒な現実の中で楽しく生きる術はあると思います。	動物病院併用住宅 リビングとタタミ室

№501　三匹のこぶた		2020/7/15
	三匹のこぶた“ブー”“フー”“ウー”はどのような事情かは忘れましたが各々の家づくりをします。家づくりの素材は藁と木とレンガだったと記憶しています。藁の家は素早く完成し、木の家は藁の家に次いで出来上がりレンガの家は完成するまで多くの時間を要し、藁の家や木の家のこぶたに無駄な時間を費やす事を笑われていたように記憶しています。物語では森から恐ろしい狼が現れ、三匹のこぶたの家を次々に襲います。藁の家は吹き飛ばされ木の家は燃やされ二匹のこぶたは着の身着のままレンガの家に逃げ込みます。レンガの家に辿り着いた狼はこぶたを襲おうとレンガの家の破壊を試みますが、如何せんレンガの家は狼の想像以上に頑丈で壊す事ができずに、狼は森に帰っていくという話だったと思います。 　近年の災害を思うとき、ふと三匹のこぶたの話を思い出します。私たちがつくってきた建物は藁や木の発想に基づいていないか、私たちが選んできた街づくりも藁や木の発想に近いのではないかと思います。成長と効率を一義的に追いかけすぎた結果が藁と木の家の集合体としての街や都市をつくってしまったような気がします。 　子供の頃に三匹のこぶたを襲う狼は唯の狼であり自分にはまったく関係の無い出来事と感じていましたが、狼が自然を象徴する傀儡である事には気づきませんでした。近年の災害は地震にしろ津波にしろ大雨にしろ洪水にしろ自然を蔑ろにした人間のツケが回ってきた見返りとも感じます。昔から語り継がれる物語は大きな示唆に富んでいるものと改めて感心します。 PS：上記を筆記後“三匹のこぶた”を読み直しましたら、私の記憶と物語り内容はかなり違っておりました。藁の家のこぶたも木の家のこぶたも狼に食べられてしまいレンガの家のこぶたは知恵を絞り狼を退治した話でした。藁の家は狼に吹き飛ばされましたが木の家は狼に体当たりされて破壊されたようです。人間の記憶は都合の良いように作られます・・・。	受付ｶｳﾝﾀｰ 設計監理：ｺﾓﾀﾞｱﾄﾘｴ

№500　動物病院好きの方、いらっしゃい		2020/7/14
	動物病院の外観や待合ラウンジ、受付カウンターの写真を飽きもせずに羅列するインスタグラムページを更新しています。2020年7月12日時点で180枚の写真を掲載しています。今後も地道に動物病院写真を少しずつ掲載していく予定です。戸建動物病院は外観写真を1枚と内部のインテリア空間を1枚、テナント動物病院は待合ラウンジあたりの写真を1枚とファサードやサイン、診察室や手術室の写真を1枚程度掲載していこうと思います。 　隅から隅まで動物病院の建築写真しか掲載されませんから、余程の動物病院好きでない限り、見ていただける可能性は低いものと思います。余程の動物病院好きと書きましたが世の中に動物病院好きな人がいるのかどうかわかりませんし、常識的に考えると動物病院好きなどお目にかかったことがありませんから、ほぼ日本に動物病院好きの人はいないものと思います。ほぼ日本にいない動物病院好きに向けたインスタグラムをつくって何になるのか解らないのは掲載を続ける本人にも意味の存在は解っていませんので何にもならないことを続ける理由を探っても無駄というものです。 　動物病院の建築写真が意味もなく500枚並んでいる姿を想像して楽しいかもしれないと勝手に思っていますが、500枚の動物病院写真を見た後に、案外詰まらんと思うかもしれません。まあ、どちらでも構わないので当座、動物病院写真掲載は継続していきます。ご興味の湧いた方は、是非、ACプランのインスタグラムを覗いてください。 ACプラン インスタグラム	AC_PLAN_ANIMAL

№499　榎木町特別出張所前バス停		2020/7/13
	都営バス白61、榎木町特別出張所前バス停が事務所の目の前にあります。都営バス白61は練馬駅や練馬車庫から新宿駅西口に向かうバス路線です。白61の意味は不明です。 　練馬駅から新宿西口に向かうバスが何故に早稲田町辺りを通るのか、バス路線を選定し決定した人物しかわからないことですが、当事務所から新宿方面に向かう際には大変便利な路線バスです。所用で新宿からの私鉄沿線に向かう時も、新宿から事務所に帰る際にも都営バス白61を利用します。道路が空いていれば新宿駅から早稲田の事務所まで20分弱、混んでいると40分程度を要する時もありますが、比較的空いている状況が多いと感じています。 　新宿駅のバス乗り場は西口バス乗り場の3番乗り場です。榎木町特別出張所前バス停は都合の良い事に事務所から徒歩15秒の位置にあります。また、新宿方面行きのバス停は事務所作業机から視認可能な目の前にあり、バス停に並ぶ人数でバスの到着時間が読めます。 　都バスは乗り慣れると便利な乗り物です。新規に開店する店や閉店した店、古家が取り壊されて更地になり共同住宅が建つ過程や街の移り変わりが車窓から伺えます。街の風情を感じながら日々都バス白61を利用しています。	ﾈｺｶﾌｪ+動物病院

№498　開業相談前の下調べ		2020/7/12
	開業相談先コンサルにコンタクトをとる前に動物病院設計と検索して動物病院の設計及び建築に関して下調べをしましょう。 　動物病院開業には開業場所と動物病院本体が必須です。往診専門の動物病院を除けば場所と建物はなくてはならない必需品です。 　場所探しは人頼みにはできませんしコンサル頼みでもいけません。開業場所は自らの足で探し、自らが最終判断を行い選定するものです。判断前に多方面の専門の方々に意見を聞き、判断材料を豊富にするために、コンサルの意見を聞くのは吝かではありません。 　聞く前に調べるのは常識です。基礎的な知識を持ち合わせていなければ、聞くべきことが解らず、何を聞いたら良いのかわかりません。聞くことが解らなければ、正しい情報は掴めません。基本的な知識がゼロで開業コンサルを訪ねるのはコンサルのカモ同然です。カモがネギを背負ってコンサルに行けば、その後は美味しい鍋にされて食べられるだけです。宮沢賢治の『注文の多い料理店』と同じ状況が待っています。 　動物病院をつくるのは動物病院を開業しようと欲する獣医師です。最終判断をするのは主体者たる獣医師に他なりません。 　開業相談先に連絡する前に動物病院の設計や建築に関して必ず下調べをしましょう。	小動物病院の平面図

№497　究極はただの四角い箱		2020/7/11
	建築の究極はただの四角い箱です。何処から見ても、見上げても見下げても外部からはただの四角い箱になると究極の建築です。箱の中に入る入口は何処なのか、室内の採光はどうするのか、自然通風はどうするのか、昭和の中頃に定められた建築法規をどのようにクリアするのかは次元の異なる問題です。 　四角い箱の真ん中から樹高の高いイロハ紅葉が枝を広げ風に揺れていればなお良しです。季節ごとに姿を変えるイロハ紅葉を眺めながら一日の終わりを祝し、一日の始まりに感謝する日々が過ごせれば個人的には理想の建築です。	はずき動物病院　外観

№496　シンプルの探求		2020/7/10
	木造の動物病院計画はモデュールとの葛藤です。モデュールとは日本特有の尺寸のことで、柱間の基本は一間（いっけん）、三尺、六尺、九尺と基本モデュールが存在します。三尺ピッチのマス目の上で日本建築を考えていれば何とかなるという代物です。 　建築内に収める日本製品は日本の伝統的なモデュールを考えて作られていますが、動物病院の医療機器は日本のモデュールとは無縁です。無縁ですから日本のモデュールで組み立てた建築に医療機器は収まらないか設置しても異様な隙間ができるかのどちらかになります。簡単な話、日本のモデュールと動物病院医療機器は相性が悪いのです。 　故に日本のモデュールに紐付きながらも動物病院医療機器を隙間なくしっくりと収めるためには日本モデュールを解体しながらも基本的には踏襲するという難儀なことをやらかさなければなりません。 　一間は1820㎜、三尺（半間）は910㎜、一尺は303㎜、1.5尺は455㎜、ここまでは日本建築でも度々使用する寸法ですが、動物病院の設計では三尺の1/4の227.5㎜や1/5に当たる182㎜を駆使します。壁圧に関しても通常は105㎜角の柱にボード大壁で130㎜壁厚ですが、間柱奥行きを105㎜、90㎜、60㎜、時には45㎜を使い回して医療機器が程よく収まる内寸を導き出します。 　おそらく、今書いている文章の意味が理解できる方は設計に従事して何かしらの立場に立つ人で、それ以外の方にはチンプンカンプンであろうと思います。 　言わんとしている事は、大変細かい事を飽きもせず突き詰めている日々の設計状況の報告と設計とは何等関係の無い方にとっては非常にツマラナイと思われる瑣末なミリ単位の調整を結構楽しみながら面白おかしく続けているのが動物病院の設計ですと言いたいだけです。 　数十ミリの柱の移動や数ミリの壁厚の差を利用して医療機器を納め使い勝手の良い動線を導く地道な思考がシンプルな建物に繋がる道程です。	たなか動物病院

№495　1000万円内でテナント動物病院をつくる		2020/7/8
	残念な事ですが、現状1000万円内でテナント動物病院工事を収めるのは困難になりつつあります。5年前には1000万円内で動物病院工事を納まる可能性は有りましたが現状では出来ないと断定はしませんが頗る困難になっています。 テナント動物病院の内装工事費用は坪単価で45万円／坪以上を要しています。条件が非常に良い物件で45万円／坪です。既存テナントの下地状況が良好、床・壁は平滑、天井は軽鉄組みがあり天井仕上げが容易、配管類を通す余裕がありスリーブも十分に有り、既存排気口も有り、テナント前面のサッシは再使用可で既存排水位置も複数有り・・・等々の条件が揃っていれば45万円／坪以下でも工事は可能かもしれません。 工事費用の妥当性は相対的です。高い安いの判断は同地域の工事状況により上下し工事会社の状態によっても上下動します。工事費用が上がり続けている状況では一概に工事費の高い安いを判断できません。 －30坪テナント動物病院－ 　工事費：30坪×45万円＝1350万円（内装工事費用のみ） 　サイン工事：40万円（壁面サイン1ヶ所+照明器具程度） 　酸素配管工事：40万円（酸素配管3ヶ所程度） 　設計監理料：143万円（工事費の10％） 　消費税：157.3万円（工事総額の10％） 　総計：1730.3万円	動物病院の待合ラウンジ

№494　不測の世紀		2020/7/7
	歴史は事後につくられます。起こった出来事を省み平静を取り戻した後に記憶が形成され記録として残された事柄が掘り起こされると歴史になる可能性を持ち得ます。記憶は個人の想いに引き摺られ、そうあって欲しい方向に強く傾きます。記録は未来の誰かが紐解く際の根拠になりますが解釈の捉え方によって見え方は異なり事実の捕まえ方も変わります。所詮、すべては藪の中の出来事であり、昔も今も未来も藪の中にあるのは変わりがないようです。	いなば動物病院

№493　つくってなんぼ		2020/7/3
	つくらなければ『タダ』、つくるとなんぼかの対価を得られるのが建築です。『なんぼ』はお金の量すなわち価格交渉の際に北東北の人間が使う公用語です。『けぇず、なんぼ』とは、『この商品の価格はおいくらでしょうか？』と尋ねる北東北の謙遜語です。 　建築設計費用は各々の設計事務所が決めます。社会の平均的相場感としては工事費用の10%辺りを提示する設計事務所が多いと思います。 　動物病院設計では、テナント動物病院が工事費用の10%、戸建動物病院は工事費用の10%＋構造設計料2%と合わせて12%、改修・リニューアル動物病院は工事費用の15%です。設計監理料を高いと感じるか安いと感じるかは設計を依頼する側の感覚です。設計側には現状の設計監理料に関する高低への強力な感情はありませんが、消費税並の設計監理料は消費税と同程度の価値しかないのか、同程度の価値もあるのか、なんとも言い難い複雑な気持ちです。設計監理料を云々するよりも、建築は“つくってなんぼ”のモノであり、喜んで頂いてなんぼのモノです。	ACプランインスタグラム

№492　動物病院設計		2020/7/2
	動物病院の設計を動物病院設計と呼び続ける限り、建築設計の中に含まれる設計業務の一つとして動物病院設計は位置づけられます。建築設計の中の一業務に過ぎないと認識される限り、動物病院設計は特殊な範疇ではなく、資格を持つ建築士ならば誰に頼んでも大差ない建物が出来ると一般には思われますし思われています。動物病院設計が特殊であり設計には多くの経験と能力を要し、建築士の資格を持つだけではまともな動物病院が設計できないという当たり前の事実を解ってもらう必要があると痛感しています。 　動物病院の平面図はある程度経験を積んだ建築士であれば描けますが、シンプルで使いやすい平面計画、明快な医療動線とクライアント動線を有する動物病院平面図はほとんどの建築士には描けません。医療環境を維持して医療サービス向上を目論見、防臭・防音・メンテナンス性を高める動物病院計画提案は動物病院設計を専門にする建築士のみが出来る提案です。加えて、獣医師の要望を叶え動物病院機能を充実させ適正な工事コストに導くことが可能な動物病院設計はACプラン所属の建築士にしかできないでしょう。 　ACプランの名称はアニマルクリニックプランニングを簡略化した動物病院設計グループの名称として2000年頃から使用しています。名称通り、ACプランは動物病院の設計に特化した設計事務所集団です。	動物病院計画 医療動線計画図

№491　複雑な改修案件		2020/7/1
	動物病院の改修に単純な案件はありません。動物病院改修設計は難解でハードルが高い事案が多く、改修設計をなんとか纏め、工事業者から見積を受理した後も想定よりも高い見積もりの調整や工事業者との減額交渉が待ち構えており、さらには、工事工程の調整と工区練直しの再考も繰り返します。改修工事着工後も予想外、想定外、既存図面にない現実に直面し応急的な対処判断を迫られる確率も高く、診療を継続しながらの改修工事を行う確率も高くなりますから、気の抜けない作業、神経を使う作業が工事終了まで続きます。 　改修設計は絡み合った糸を解す作業から始まります。何がどう絡んでいるのか、何処から手をつけるべきか、何を求められているのかを整理して、改修に至らなければならなくなった原因を探り出し、原因を改善するための具体的な変化を起こすための鍵の在り処を考えます。 　原因を絞り込んだ後は、優先順位を決め設計作業を進めますが、錯綜した糸の絡みが簡単に解れる筈もありませんから、逡巡を繰り返します。三歩進んで二歩下がるような感じです。 　生きていくのも、設計を紐解くのも、一筋縄ではいかないものです。	動物病院計画 テナント動物病院待合ラウンジ

№490　平面図選定、元の木阿弥		2020/6/24
	平面計画には理由があり意味の無い線はありません。一つ一つの線には関係があり繋がりがあります。部屋の配置にも理由がありコンセプトとクライアント要望に可能な限り近づくことを目標として平面計画は推敲されます。 　平面計画を選定する要点は簡単かつ単純です。考え抜かれた平面計画を選定することです。『考え抜く』と言う言い回しが曖昧で難解ならば、『要望が全て反映された』平面計画を選ぶことです。非常に簡単でしょう。これでも選定しきれない方は、『無理のない』平面計画を選ぶことです。益々選ぶ方法が判らないと言う方には、『すっきりと見える』平面計画を選ぶことをお勧めします。 　建築士の技量は設計図を見れば一目瞭然です。技量の高い建築士を選ぶことができれば、要望の可能性を整理選択し平面図に落とし込む範囲と序列を取捨選択し、尚且つ平面計画をスッキリと収めてくれます。ただし、建築士の技量と経験量は比例しませんし、尚且つ、法則性もありません。何よりも建築士の平面計画の技量を見抜く能力を持つ者は技量の高い建築士しかいませんので、提出された平面計画の中から考え抜かれた平面図を選ぶことができるのは技量の高い建築士を置いていないのです。元の木阿弥とはこんな感じでしょうか？
テナント動物病院平面計画

№489　メリケンとケンメリー		2020/6/23
	淡谷のり子好きでも無く昭和の車好きでもありませんが、つくばエクスプレスに乗車中、八潮駅を過ぎる頃、ふと、淡谷のり子の“窓を開ければ港が見える、メリケン波止場・・・”の歌が頭に浮かんできました。淡谷のり子と北千住方面のイメージが何かの拍子に重なったのでしょうか？ 　メリケン波止場が実在する場所なのか否か知らないのですが、私的な勝手な思い込みでは、横浜辺りか神戸辺りの港の呼び名ではなかろうかと思い込んでいます。メリケン波止場に思いを傾けていたところ、メリケンとケンとメリーは何かしら関係があるのだろうかと疑問が湧いてきました。ケンとメリーのスカイラインが何故にケンとメリーなのかも解りませんが、メリケンとケンとメリーはどこかで繋がりがあるのではないかと、つくばエクスプレスに揺られながら考えているうちに目的地の柏の葉キャンパス駅に電車が到着し、乗車中に頭に浮かんでいた事どもが雲散霧消しました。 　どうでも良いような事をどうでも良いように考えることに何かしら意味があるのかなど、どうでも良い事を考えている頭が自分の頭の動きと存在を確認することであろうと思われます。 　我思う故に我ありの哲学的思考とはかなりかけ離れたところにあるのか無いのか、恐らく、とんでもなくかけ離れているのだろうと思います。	動物病院　新築計画

№488　接点		2020/6/22
	新規開業希望獣医師との接点はほぼゼロに近い状況です。ホームページから開業希望獣医師に対してメッセージは発信していますが、ホームページからの質疑や問い合わせ反応は1年間で20～30件程度です。新規開業動物病院が1年で150棟以上つくられている現状で20～30件程度の問い合わせしかないのはホームページからの発信が的を射ていないに等しいと言えます。 　日本中の動物病院をすべてつくりたいと考えてはいませんし、すべての新規開業動物病院を設計監理する体制が整ってもいませんので、自ずとすべての新規開業動物病院の設計監理はできませんが、現状ＡＣプランの体制では50～60棟の動物病院の設計監理は1年を通じて可能です。動物病院設計に特化する設計集団であり、日本全国で動物病院設計の実績を持ち、動物病院の施工経験を有する建築業者にもつながりがあります。 　2020年はコロナ禍の影響で東京や大阪で毎年開催される獣医師の大きな集まりも中止になっていますので、開業を希望する獣医師との接点は通常の年よりも少なくなります。 　2000年から活動する動物病院設計ＡＣプランの動物病院写真をインスタグラムにて紹介しております。新規開業を目指す獣医師の先生方との接点になれば幸いです。テナント動物病院、戸建動物病院、動物病院併用住宅等の建築写真をランダムにインスタグラムに掲載しておりますので、時間のある折に見ていただきたく思います。 ac_plan_animal　 https://www.instagram.com/ac_plan_animal/	とちの木動物病院

№487　無料範囲		2020/6/20
	初回現地調査とヒアリング、調査後に提案する基本構想案、概概算工事見積、全体工程スケジュール表までが無料で提供するサービス業務です。 　仕事を取るための無料のサービス業務は仕事となり設計監理契約した報酬から補われます。故に、仕事にならなかった無料サービスの対価は仕事になった無料サービスに載せられています。仕事にならなかった分の対価は仕事になったところから得ている訳で、仕事になったにも関わらず、仕事になった無料サービスの対価も仕事にならなかった無料サービスの対価も仕事になった報酬から得ています。なんか変だな?と思うのは私だけでしょうか。 　仕事にならなかった人だけが無料サービスを無料で受け取り、仕事になった人は自らに成された無料サービスと他人に成された無料サービスの報酬をまとめて支払うことになっています。どこか矛盾しています。世の中の無料サービスはおそらく全て同じ仕組みで出来ています。無料サービスで無料同等のサービスを享受できるのは無料サービスを利用するだけの人であり、無料サービス付きの商品を最終的に選択する人は購入した商品と共に自らに向けられた無料サービス対価以外の無料サービスを利用するだけの人の対価も払っていることになります。 　本来の無料サービスは仕事になったクライアントに還元されるべきであり、無料サービスを無償で利用するだけの方々が無料にならないような仕組にしなければいけないのではなかろうか・・・と思います。なんだか禅問答染みてきましたが、引き続き無料の仕組は考える必要があるようです。	りんごの木動物病院 吹き抜け待合ラウンジ

№486　小動物病院設計提案		2020/6/17
	小さなテナント動物の新規開業が増えています。都市部では特に床面積15～20坪程度のテナントで動物病院開業を検討する方が多いと感じます。15～20坪で一通りの動物病院諸室は揃います。待合ラウンジ、受付、診察室、客用WC、検査処置室、薬コーナー、入院室、OPE兼X線室、スタッフ用WC程度は計画できます。平面計画によってはフード庫、入院室2室、入院準備室か更衣室程度は計画できる可能性もあります。 　資金面から小さな動物病院を御検討の方はお気軽にご相談下さい。動物病院設計に特化するＡＣプランならではの機能的でコストを抑えた平面計画を提案致します。	中野動物病院　手術室 設計監理：コモダアトリエ
	動物病院開業相談 http://itres.la.coocan.jp/KAIGYOU%20MAIL%20SOUDAN.html イトレス＆ACD 電話相談：03-6302-1546　土｀田宛

№485　設計事務所乗換案内アプリ		2020/6/16
	設計打ち合わせ日時を入力すると、基本構想案提案日時が即座に示され、設計費用や工事費用も即示される。基本構想案提出業者候補が複数表示され、費用の安い順、打ち合わせ回数順、加えて実績順で設計事務所や施工会社がランキングされ、簡単に設計と工事の検索ができるアプリもそろそろ出回り始める可能性もあるかも知れません。そうなると、設計事務所の選定も工事会社の選定も現状の如くあれやこれやと悩む必要は無く、必要に応じて簡単に動物病院開業パートナーが選定できますから、さぞ便利な世の中になっていく事と思います。提案側も無駄になる提案をせずに済み、時間を有用な部分に回す事ができ、依頼側も要望に沿わない案に埋もれて検討する時間と労力が減り大変効率の良い仕組です。 　建築設計や工事だけではなく、世の中の多岐にわたりスマホ1台あれば、何から何まで全ての選定は可能になり依頼は指を動かすだけになります。喜ばしい限り・・・ではありませんか・・・。	千代野どうぶつ病院　待合吹抜 設計監理：コモダアトリエ

№484　内外の中間領域		2020/6/9
	日本建築は外部と内部の明確な遮断をしてこなかった建築様式です。生活空間でも自然を外部として扱わずに外部に内在する自然の一部と認識して建築の造作を重ねてきています。戦後、急速に欧米化が進み、自然に対する考え方を変え、外部と内部を二元論的に捉えて自然と人の生活を分断する建築をつくる手法に傾倒してきましたが、現状の建築の立ち位置からは今後の方向性は見え難くなっています。 　一枚の壁を挟んで全く別な環境をつくることに執念を燃やしても自然は一枚の壁を簡単に凌駕していきます。日本人が積み重ねてきた仕切る文化は薄く儚い壁を層状に重ねて自然と生活を緩く隔てながら、少しずつ繋げ、人間と自然との妥協できる範囲の密かな共存を目論んできました。人と人との距離感も付かず離れずの微妙な空気感を間に保ち、社会の営みを成熟させてきています。 　精神の内と外の関係と自然と人間との内と外の関係は図らずも同じ考え方の上に成り立ってきたように思います。 　社会構成にも普段の生活にも対立軸を打ち立てて対象物を眺めるのではなく、複数の曖昧な関係を微妙な距離感と間の取り用で納めていく手法はこれからのニューノーマルの姿に輪郭を与える方法の一つに成り得そうな気がします。	いなば動物病院 デッキ下の外待合

№483　外待合の充実		2020/6/8
	動物病院を設計する際に積極的に外待合の提案をしてきました。陽射しを和らげる庇、雨掛かりを避けられ適度な風が吹き抜ける大屋根の張り出しの外待合は動物病院の付加価値を高めます。 　コロナ禍以降、動物病院の外待合空間は利用頻度が高くなり、外待合空間が動物病院に必須になっていくと感じます。単なる雨掛かりを避けられる待合ラウンジの代用ではなく、室内の待合ラウンジと同等かそれ以上に有効に活用できる外待合空間が実現できれば、お客様が集まる外待合になり、誘客効果が高い動物病院になります。 　現状、外待合は外部環境に大きく左右されますが、悪天候でも寒暖差が大きい時でも、利用頻度が変わることがない外待合空間の提案を検討し実現を目指します。	とちの木動物病院 外待合

№482　プロフェッショナル渇望時代		2020/6/5
	コロナ禍が時代を変える促進剤になり、世の中の動きは加速する様相です。保守的な立場に固執する年代が多数を占める現状の中で以前から必要が叫ばれていながらも時期尚早と抑圧されていた仕組みや構造が加速・膨張して、かなり近い将来、常識として定着していきます。 　建築設計では建物用途に分化しプロ化が進むでしょう。各々の分野のプロフェッショナルが深い専門領域の知識と積層経験を駆使して専門領域をさらに深掘りし、建築の高度化と高性能化を加速します。建築の専門化は無意識下のクライアント要望を掘り起こし、建築機能を充実し、建物用途に応じた室内建築環境と外部環境との調和を図り、再生可能な共存状態を目指しながら、誘客や集客を導く循環する流れをつくります。 　全体を俯瞰的にコーディネートする人材と各々の立場のプロフェッショナルの協業が次の時代の主流になりそうです。	関水動物病院 設計監理：ジュンメ建築設計事務所

№481　30年のリズム感		2020/6/4
	1870年～1900年、江戸時代までの慣習と常識が砕けた「破壊の30年」 1900年～1930年、日露戦争等、新興国日本が、先進国を目指す「繁栄の30年」 1930年～1960年、第二次世界大戦に突き進んだ「破壊の30年」 1960年～1990年、高度経済成長期～ジャパン・アズ・ナンバーワンの「繁栄の30年」 1990年～2020年、バブル崩壊から失われた数十年といわれる「破壊の30年」 30年の周期性、30年の破壊と30年の繁栄、陰陽の関係であり、60年の1周期。 上記は何がしかの冊子に掲載された文章からの受け売りです。上記文章以外を留め置かなかったのでどこの誰の文章なのかが現状では不明です。（上記文章を書いた方をご存知の方は教えていただきたい） 日本の近代以降が30年のリズム感で動いているという考え方に深く首肯すべきなのか否かを判断できないけれども、面白い見方と感じた文章を書き写したものです。 2020年以降の30年が良い流れになると思える雰囲気を誰もが欲している現在には、少し嬉しい将来が想像でき、少しばかり不安を払拭できそうな気分になります	関水動物病院 設計監理：ジュンメ建築設計事務所

動物病院設計　テクニカルデザイン執筆　イトレス＆ACD　土｀田孝司

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